もう今年もおしまいですね。今年は忙しいプロジェクトやコミュニティ登壇活動など、気づいたらあっという間の一年でしたが、来年もコミュニティ活動の活発化によって、今年と変わらないくらいに忙しい一年となるかもしれません。
Keychron K2 Pro
がついに 発売開始 になりました。Facebookコミュニティでは2022年末には売り出すと言っていたのですが事前告知が全くなく、 12月6日に突如として短いカウントダウン後に発売開始になりました。
Keychron K2 ProはK2における上位機種のような存在で、 吸音フォームの追加とQMK対応が大きなアップグレード になります。このブログは Keychron K2 Pro
で書いています。
私は Keychron K2 Hot-swappable
バージョンをメインのキーボードとして利用し始めて2年程経っており、Keychronのヘビーユーザーです。 K2以外にも、 Q2、V1、K3など
いくつかのKeychron製品を購入して利用しています。今回、 K2 Pro
が出るということで、早速購入しました。レビューをしていきます。
- プラスチックフレームとアルミニウムフレームの二つを購入
- キー入力ファーストインプレッション
- Keychron K2 Proを改造する
- アルミニウムフレームの改造
- [2022年12月31日 追記] Keychron K2 Proのいけていないところ
- まとめ
プラスチックフレームとアルミニウムフレームの二つを購入
今回、なんと二つの K2 Pro
を購入しました。プラスチックフレームとアルミニウムフレームです。完全にキーボードジャンキーですね ...
プラスチックフレームは Keychron K Pro Switch 赤軸
、アルミニウムフレームは Keychron K Pro Switch 茶軸
を選択しました。開封してよく見ると、プラスチックフレームとアルミニウムフレームでキーキャップの色が違います。以下画像は上がアルミニウムフレーム、下がプラスチックフレームです。
キー入力ファーストインプレッション
開封直後の状態で、二つのモデル両方とも打鍵してみました。確かに、以前のK2シリーズと比べてK2 Proは 吸音フォームによる打鍵感の明確な違いがあります。 吸音フォームと言えばKeychron V1を持っていまして、V1の音に近いです。まぁ、それはそうではあって、 V1とK2 Proは同じトレイマウント仕様で肉厚なシリコンフォームがケース底に入っているのは変わらない のでキー入力の感触は近いものになっていました。
出荷された状態のキーボードに納得がいかないのは、Keychronあるあるで相変わらずでした。 特に スタビライザーのルブが甘い のは相変わらずで、スペースバーなどのキーがうるさい音を立てます。個人的にはキーキャップも好みではないかな ... 少し高い音が響きます。
テープMod(テンペストMod)の音に慣れた私からすれば打鍵音も納得いきません。もっとポピー(?)な音が欲しいです。ですので、早速改造していきます。
Keychron K2 Proを改造する
届いた初日にいきなり改造していきます。ちなみに、購入してから4日で届きました。いつもだとプレオーダーであったりして届くのが数カ月後とかのケースもあるのですが、今回は 発売開始から発送までがめちゃくちゃ早かった ですね。
今回は以下の変更を行いました。
- テープMod(テンペストMod)
- スタビライザールブ(潤滑)
- キースイッチ交換
- キーキャップ交換
テープMod(テンペストMod)
まずはPCBの裏にマスキングテープを貼り付けて高い反響音を減らすテープModを行います。このModは まじで神 でして、私が持っているKeychron全てにテープModを適用しています。マスキングテープを貼るだけの簡単な改造なのにここまで音が変わるとは ... びっくりです。
以下画像のように分解していきます。見て分かる通り、肉厚なシリコンフォームがケース底に入っています。
気をつけてPCBとの接続線を外したあとに、以下画像のようにマスキングテープをPCB裏に二重に貼り付けます。本当にこれだけです。
スタビライザールブ(潤滑)
マスキングテープを貼り終わったら、気をつけて接続線を元に戻し、組み立て直します。その後にスタビライザーに追いルブ(潤滑)をしていきます。潤滑剤は Krytox GPL 205 Grade 0
を使いました。ワイヤーの部分はそこそこ潤滑されているようで、今回はスタビライザーを分解せずに追いルブのみ行います。
キースイッチ交換
ルブが終わったらキースイッチを交換します。プラスチックフレームは Gateron CAP ブラッククリスタル V2スイッチ サイレントRed
に変更しました。以下画像の通り、キースイッチを差し込むところからマスキングテープが見えています。
キーキャップ交換
最後にキーキャップを Keychron XDA Profile PBT Retro Keycap Set
に変更します。完成したプラスチックフレームモデルの画像がこちらです。
プラスチックフレーム改造後の打鍵感
改造後の打鍵感ですが ... 最高です。 マスキングテープによる高い音の減退と、コトコトと音が鳴るGateron CAP V2 静音スイッチの相性が とても良いです。非の打ち所のないキーボードになりました。
アルミニウムフレームの改造
ここまで改造したモデルはプラスチックフレームでした。次にアルミニウムフレームでも同様のことを行います。プラスチックフレーム、アルミニウムフレームの両方を買って分かったことは、 プラスチックフレームモデルに穴をあけて、アルミニウムのフレームを差し込んでいるだけにすぎない 、ということです。アルミニウムフレームモデルを購入しておければ間違いないです。アルミニウムフレームによって多少ですが反響音が減っているかなと思います。
↓ 以下画像は取り外したアルミニウムフレーム
改造内容はプラスチックフレームと同じです。しかしながら、以下画像のように 吸音フォームが出荷時点でねじれていたり ...
改造途中で以下画像のように PCBと接続するコネクタピンがずれてしまったりと、 まじでやっべぇぞ な状況に陥りましたが、無事に修理して正常に動くようになりました。
このような分解による改造は Keychronの保証対象外 だと思うので、このブログを見て分解される方はくれぐれもお気をつけて ... 。購入した初日にキーボードを壊したら洒落にならないですからね ... 。
以下画像はアルミニウムフレームモデルの改造後の写真です。 Gateron G Pro 2.0 Switch 茶軸
と OEM Dye-Sub PBT Keycap Set - Iceberg
に変更しています。
アルミニウムフレームの改造後の打鍵感
アルミニウムフレームの改造後の打鍵感ですが ... 良いです。 良いのですが、 トレイマウントと茶軸の相性って良くない気がします。 やっぱり音がちょっとうるさい。打鍵感を楽しむために茶軸を選択しているので、これはこれで良いのですが ... 茶軸の打鍵感と言えば ガスケットマウントのQシリーズには勝てない 感触があります。
[2022年12月31日 追記] Keychron K2 Proのいけていないところ
Keychron K2 Pro
もよくよくマニュアルを見てみたり、実際に使ってみるといけていないところがあります。
いけていないところ① Bluetoothのオートスリープ機能がない
日本で使う分であれば技適を通っていないので関係ない点ではあるのですが、 Keychron K2
にはあった Bluetoothのオートスリープ機能が Keychron K2 Pro
にはありません。 よくよく調べてみると、 Proシリーズを冠したKシリーズには全てBluetoothのオートスリープ機能がないことが分かりました。 これは接続先のシステムが稼働しっぱなしであったりすると繋がり続けることになりバッテリーが一瞬でなくなってしまいます。これはどうしようもなくて、 接続先システムのサスペンドやスリープによって制御するしかなさそうです。 GitHubで blue-enough
というスクリプトが公開されていてMacユーザーの方にとっては便利かもしれません。
いけていないところ② バックライト効果を有効にしている場合に同時押しが失敗するケースがある
特にMacにおけるペースト(Command + V)が v
キーの入力に化けてしまうのは 致命的に近い問題 で、本キーボードを使う際は基本的にバックライトをオフにして利用したほうがよさそうです。Proを冠さない無印モデルではこの問題は発生しておらず、 Q
シリーズで発生することも確認できたので、どちらかというとQMKのシリーズで発生する問題との理解でいます。高速に入力せず確実にタイプすれば発生しない問題ではあるのですが、 キーボードに自分の運指を合わせるというのものどうかと思います。
まとめ
一足早いクリスマスプレゼントが来ました。メリクリ!K2 Proがあるからと言って、Proの名を冠さないK2の優位性が薄れるかというと、それは違うと思っています。 K2 Proと比較してK2は 軽量である
という明確なアドバンテージがあります。これはK2 Proがねじ込み式スタビライザーを採用しているなど、PCBの設計自体が異なる点もあり、 K2 ProがK2より重くなって おりまして、K2 Proが持ち歩きに適しているとは思えないです。 Proを冠さないK2であれば630g前後まで軽量化しつつ静音化できます。 (この話はまた別エントリーで)
もうこれで数年はキーボードを買い換える必要もなく、本当の意味でのエンドゲームに到達できそうな気がしています。(ずっとエンドゲームって言ってる気もしますが。)少しでも参考になれば幸いです。